異世界[恋愛]

イチゴ令嬢のベリーなる農家ライフ〜真実の愛を見つけた婚約者が破談にしてきたからこちらも好きに生きますね!王子の愛した宝石を作る手を愛おしく握ってくれる幸せがやってくるまで〜

朝露が葉を濡らす早朝、いつものようにイチゴのハウスへと向かうこの時間が好きだと、何度も感じた想いが胸に走った。
土の匂い、甘く熟した果実の香り、ハウスを覆う白いビニールシートが朝日を反射してキラキラと輝き、穏やかな時間がいつも、心を満たしてくれる。
「ロップルー様、今日のイチゴも素晴らしい出来栄えですな」
ハウスの入り口で、農夫がにこやかに挨拶をしてきた顔にはイチゴへの誇りが滲み出ている。
嬉しくなって、頷くとハウスの奥へと足を進めた。
「ええ。特にこのルビーの涙は、色も艶も最高」
指差したのは宝石のように輝く真紅のイチゴだった。
三年前に突如として前世の記憶を思い出したのは、忘れもしない第三王子ジャルコに婚約を破棄された日のこと。
「ロップルー、すまない。私は、本当の愛を見つけてしまったんだ」
ジャルコが差し出したのは二つ年下の伯爵令嬢、カーナカーナの手だった。
この日から彼女は別の道を歩み出したのだ。

異世界転生 / ほのぼの / 女主人公 / 日常 / ざまぁ / 婚約 / 貴族 / 令嬢 / 農業 / 苺 / 王族 / 裏切り / 真実の愛
短編 2025/10/11 06:00更新
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最終取得日時:2025/10/16 12:05
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