異世界[恋愛]

転生令嬢は空気が読めないので、貴族の嫌味を全部ほめ言葉として受け取りました

公爵令嬢リリアーナには、前世の記憶がある。

とはいえ、料理の知識もなければ、画期的な発明もできない。
魔法の才能も人並み。

ただ一つ、彼女には少々困ったところがあった。

貴族特有の、遠回しな嫌味がよく分からないのである。

「まあ。ずいぶん素朴なドレスですこと」

「ありがとう! 軽くてとっても着やすいのよ!」

「……そう」

「お勉強がお好きなのね。殿方には退屈されませんこと?」

「心配してくれてありがとう! でも殿下は私より物知りだから、毎日すごく楽しいわ!」

「…………そう」

嫌味を言っているはずなのに、なぜか全部ほめ言葉として受け取られてしまう。

しかもリリアーナが嬉しそうに周囲へ話すものだから、嫌味を言った側は今さら「そんな意味で言ったのではない」とも言えない。

そんな日々が続くうちに、なぜかリリアーナの評判は上がり続け、彼女を笑いものにするはずだった令嬢たちは、どんどん後に引けなくなっていく。

けれどある日の王宮園遊会。

とうとう、ほめ言葉には変換できないほど露骨な悪意を向けられたリリアーナは――。

「ああ。これはさすがに、嫌味なのね」

初めて、笑顔を消した。

これは少しだけ空気が読めない転生令嬢が、悪意だらけの社交界をなぜか善意で塗り替えてしまうお話。

異世界転生 / 女主人公 / 西洋 / 中世 / 近世 / 群像劇 / 内政 / 日常 / ハッピーエンド / 青春 / 悪役令嬢 / ざまぁ / KY / 復讐
短編 2026/09/05 13:06更新
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最終取得日時:2026/09/10 12:05
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