偽聖女と言われて婚約破棄され国外追放の上崖から突き落とされましたが、嘘吐き魔人に懐かれたので幸せです【改稿版】
白髪の少女ルチア。産まれてすぐに実の親に捨てられたが、平民の養父母に育てられて幸せに暮らしていた。
十五歳になったある日。突然やってきた神官に「お告げがあった」と聖女として連れて行かれてしまう。以降、国土に湧き出る瘴気を浄化する為祈りを捧げる日々を過ごすことに。
聖力を削られる祈祷に、少しずつ身体を蝕まれていくルチア。
「も、無理……っ」
婚約者の王太子アルベルトに助けを求めると、やってきたのは新たなる聖女、ロザンナ。だけど、ロザンナが来ても状況はちっとも改善しない。
――いやいや、なんであの人私がぶっ倒れている間にアルベルト様と交流深めちゃってるのかな!? どうしてピンピンしてるの? おっかしいなあああ!?
と、限界を感じながらも、国民の安全と貧しい両親への仕送りの為、死物狂いで浄化を続けていた。
だけど、何故が新聖女降臨一周年記念式典の会場で突然アルベルトに偽聖女と断罪される。婚約破棄と国外追放を言い渡されてしまい、驚くルチア。
アルベルトに寄り添っていたのは、ニヤついた顔の聖女ロザンナだった。
――あれれ、笑ってるぞ。うっわー。性格わる。
誰がどう唆したのかを察したルチアだったが、時は既に遅し。
あっさりと王太子側に寝返り暗殺を指示された自分の護衛騎士マルコを警戒しつつ、国境を目指すことになってしまう。
神々しさが際立つよう演出しつつ聖力を見せつけ、なんとか信心深いマルコを説得できてこのまま逃げ切れると思ったルチア。だが、なんと崖から突き落とされ大怪我を負ってしまう。
――こんの裏切り者おおおおっ!
崖の下で回復を試みるも、魔獣に襲われ絶対絶滅のルチア。そんなルチアの前に現れたのは、獣の耳が生えた魔族の証である赤い目をした黒髪の魔人の男ネリクだった。
ネリクは広い森で一人暮らしをしていた。片言なのでいまいち話が通じないが、尽くしまくるネリクの優しさに絆されていく。ネリクの見目が大変いいこともあって、ネリクと過ごす穏やかな日々に大満足なルチア。
だが、少しずつ明らかになってくるネリクの秘密が明らかになるにつれ、やがて大きな陰謀に巻き込まれていく二人の恋の行末は――?
めげない根性ありの元聖女ルチアと嘘吐き魔人ネリクの恋の物語です。
カクヨムにも掲載。
157,911字 (2322.2字/話) 37%