異世界[恋愛]

短編「彼女が消えたことに誰も気づかない」

 私が聖女の力に目覚めてから一年。
 誰も彼もが私をちやほやする。

「イザベラは昔から赤い薔薇が好きだっただろ?」
「イザベラは昔からアップルティーが好きだったよね?」
「イザベラが昔から大好きなチョコレートケーキを作らせたよ」

 今日も婚約者や義兄や友人がわたしの好きなものをプレゼントしてくれた。
 でも、彼らが言う「昔から」っていつのことかしら?

 わたしは一年前にイザベラの体に憑依した異世界人のあすか。
 赤い薔薇、アップルティー、チョコレートケーキ、これらはあすかである私の好きなもの。
 本当のイザベラが好きだった物は、すずらん、ハーブティー、紅茶の葉入りのクッキー……。

 誰も本当のイザベラのことなんか覚えてはいない。
 イザベラの中身が別の人間の魂と入れ替わったことにすら気付かない。

 これはわたしが神様と本当のイザベラとした賭け。
 親しい人達がイザベラの中身が別人と入れ替わったことに気づくか賭けをしたの。
 わたしが勝ったら日本に転生して日本食食べ放題だったんだけど……。
 この分だと、誰も本当のイザベラがいなくなったことに、気づきそうにないなぁ。

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2024/07/06・小説家になろう日間ランキング、異世界恋愛2位、総合2位、異世界転生/転移(恋愛)1位まで上がりました!ありがとうございます!

シリアス / 女主人公 / 学園 / 悪役令嬢 / 聖女 / 憑依 / 女子高生 / 暗い / ざまぁ / 忘れられたヒロイン / 誰も覚えてない / R15 / 残酷な描写あり / 異世界転生
短編 2024/07/03 12:22更新
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最終取得日時:2024/07/20 12:06
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