ヒューマンドラマ[文芸]

彼のロボット

「なんだ、これだけか? 町内会長」

 ある休日、彼は広場に集まった人々を見回しながら、町内会長に訊ねた。

「いやあ、そうは言ってもね、あんた。発明家ていったって、実績がないんだから、しょうがないじゃないか」

 そう、彼は発明家だった。この日、町内会長に頼み込み、町の住民を広場に集めてもらったのだ。主婦に子供にお年寄り、スーパーやバス停で見かけた顔ぶれだ。それぞれ所在なく立っている。

「ふん……まあ、最初はこんなもんでいいか。偉大な発明というものは、必ず世に広まるものだからな」

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短編 2025/05/07 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:10
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