ヒューマンドラマ[文芸]

対岸の火事

「あなたってば、いつもそうよおぉぉ! 子供の世話も何もかも全部、全部、あたしに押し付けて、もおぉぉぉぉぉぉ!」

 朝の目覚ましアラームにしては壮大すぎる、まるで世界の終わりを告げる警報機のような妻の声量に、おれは『また始まったな』と思いながら、コーヒーを一口すする。

「なによ……なによ! うんざりって顔してさあ! もおぉぉぅ! うんざりしてるのはこっちのほうよおぉぉ! おおおおおおぉぉぉ!」

 壁と肌がビリビリと震える。妻はその見た目通り、オペラ歌手か何かだったかな。

未設定
短編 2024/11/16 11:00更新
1,347字 52%
日間P
-
総合P
20
ブクマ
0
平均評価
10
感想数
0
レビュー
0
評価頻度
-
評価P
20
評価者数
2
週間読者
-
日間イン
0回
ベスト
圏外
最終取得日時:2025/07/09 12:19
※googleにインデックスされているページのみが対象です