純文学[文芸]

不老不死の男

「あなたが不老不死というのは……その、本当なのでしょうか?」

「……ああ」

 男の質問に彼は重々しく答えた。
 不老不死。それは珍しいことではない。もっとも、そう騙るほら吹き男の存在は、の話だが。不老不死の研究が進められている現代にはそうやって注目を集めたがる者が多いのだ。
 男は駆け出しの記者。前述のとおり、不老不死の研究が進められている今、自分がそれだと騙る者を面白おかしく取り上げようというのだ。ただの便乗記事であり、こんなものが大衆の興味を引くとは思えないが……と、記者はまるで昔話に出てくるような古い木造の平屋の中、床の上で胡坐をかく彼のことをちらと見る。

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短編 2024/05/26 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:27
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