ハイファンタジー[ファンタジー]
勇者の棺に聖剣はなかった。入っていたのは辺境娘の古びたマフラーだった
国葬の日、勇者の棺に納められているはずの聖剣はなかった。
代わりに入っていたのは、辺境の娘が昔貸した、擦り切れた灰青色のマフラー。
王侯貴族はざわめく。
なぜ国を救った英雄の棺に、そんなみすぼらしい品が入っているのかと。
けれどそれは、勇者がまだ勇者ではなかった冬の日、
吹雪の中で倒れた自分に「返しに来る時まで貸してあげる」と渡されたものだった。
英雄になっても、魔王を倒しても、
彼はその約束だけは果たせなかった。
棺に入れてほしいと勇者が最後に遺したのは、
国を救った証ではなく、
自分がずっと帰ろうとしていた場所の証だった。
勇者 / 国葬 / 遺言 / 辺境 / すれ違い / 約束 / 切ない / 純愛 / 泣ける / 一途 / ファンタジー / 余韻
短編
2026/03/17 10:44更新
3,661字 25%
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最終取得日時:2026/08/13 12:14
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