主人公のカケルは河川敷のランニング中、知らぬ間に見知らぬ世界に迷い込む。
追い打ちをかけるように着ていた服は破れ、裸同然──いや全裸だった。
しかし、それは些細なこと。
そこで出会ったお姫様ことマルミレィが権力闘争に巻き込まれ、重大な書状を隣国の姫君に届けようとしていたのだ。しかし、予定していた使者と馬は何者かに討たれ彼女は絶望の淵に立たされていた。
隣国まで１００ｋｍ。マルミレィには絶望的に見えるも、カケルにとっては走破可能な距離だった。彼こそ全ての情熱を走りに注ぐ男だったのだ！

そんなカケルにも不安はあった。マルミレィはもっと不安だった。彼は全裸なのだ。着替えはない。しかしそこに一つの妙計が浮かぶ。そう、それはマルミレィのパンツをはいて走ることだ！

「待ってくれ。俺は怪しい者ではない」
「そうでしょうとも。怪しい人も、怪しくない人もみなそう言います」