ヒューマンドラマ[文芸]
呪いの足跡
「クソッタレがよお!」
マークは突然、三歩ほど前へ踏み出し、道に降り積もった黄色い落ち葉を思いきり蹴り上げた。舞い上がった葉は、ほんのひととき命を吹き返したかのように宙を舞い、すぐに力尽きたように地面へ落ちていく。
その蹴り上げた足が大して高く上がっていなかったことに、ピーターはどこか哀愁を感じた。
再び二人は肩を並べて歩き出す。乾いた風が吹き抜け、道の左右に等間隔に並ぶ木々の枝から葉をもぎ取り、まるで子供がケーキにチョコスプレーを振りかけるように、道や停まっている車の上へと降らせた。
「どうしたんだよ、マーク」
ピーターが訊ねた。不機嫌な理由の見当はついているが、他に会話の糸口がなかった。
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短編
2025/07/06 11:00更新
5,074字 34%
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最終取得日時:2025/07/09 12:05
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