ヒューマンドラマ[文芸]

白く覆われた村

「……おぉ、来たね。さあ、座って」

 老人はそう言って、彼に微笑んだ。

 ――か細い、蝋燭の火みたいだ。

 暖炉に目を向け、老人の顔と見比べた青年はますますそう思った。
 彼は次に窓の外を見た。今夜もまた雪が降っており、外に出ることは難しそうだった。ふと、それが残念ではなく、むしろどこにも行かなくて済む言い訳になると感じ、彼はわずかな心の動揺を覚えた。

「ふふふ……ああ、すまんね。嬉しくてねぇ。君がここに来てから……三日だな。ようやくこうして一緒に食事ができるんだなぁと」

「……はい。ありがとうございます」

未設定
短編 2024/08/07 11:00更新
2,524字 54%
日間P
-
総合P
18
ブクマ
0
平均評価
9
感想数
0
レビュー
0
評価頻度
-
評価P
18
評価者数
2
週間読者
-
日間イン
0回
ベスト
圏外
最終取得日時:2025/07/09 12:24
※googleにインデックスされているページのみが対象です