ヒューマンドラマ[文芸]
恩返し
真夜中。男はふらつく足取りで、一軒家に近づき、そっとドアを開けて中に入った。
廊下を進むたび床が軋み、その音に思わず身をこわばらせる。息を吸い、問題ないと自分に言い聞かせる。外から確認したとおり、この家には誰もいないようだった。
二階へ上がり、開け放たれた扉を見つけると、彼はその部屋に入り、床に倒れ込んだ。
溜め込んだ絶望が音になり、深いため息となって漏れた。そのときだった。
「あっ」
彼は思わず飛び起きた。廊下から、誰かがこちらを覗いていたのだ。ほんの一瞬だったが、確かに人の顔だった。
未設定
短編
2024/12/16 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:17
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