腹いせでモラハラ公爵に嫁がされたはずが、扉を開けたらツンデレな子犬がいました
昼は色気溢れるイケメン、夜はもふもふな子犬。
そんな公爵様が私の旦那様になったのには、わけがある。
「面白い女だ。私の側妃になれ」
とか、王太子が馬鹿なことを言い出したのが発端だった。
いわれのない罪をかぶせられている友人の冤罪を、正論と証拠をもって晴らそうとしただけなのに。
ジゼル=アーリヤードは名誉も何もないのに負債だけたっぷりある貧乏伯爵家の娘であり、王太子と結婚なんてことになったらこの国に不利益しかない。
即お断りすると、「ほう。面白い女だ。後悔するがいい」と面白い女を繰り返された。
その翌日、城に呼ばれたジゼルはクアンツ=シークラント公爵に嫁ぐよう言い渡されたのだ。
公爵といえば、「嫁とその家に金銭は渡さない」「私の命令は絶対である」「妻は夫の付属物であり何も要求してはならない」などなど、結婚する相手に対するモラハラを公言していることで有名だった。
いつも眉を寄せ、周囲を睨みつけるような顔で、社交界にも滅多に顔を出さない。
国王の命令に逆らえるわけもなく、そのまま公爵家へとドナドナ運ばれ、覚悟を決めてドアを開けるとそこにいたのはもふもふの子犬だった。
公爵がモラハラを公言していた理由を知ったジゼルは協力することにする。
その結果、ジゼルは夫であり、顔面兵器である公爵に毎日口づけをすることになり――
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角川ビーンズ文庫より「冷酷公爵に嫁がされたはずが、ツンデレな子犬に溺愛されています」に改題、2023年6月1日発売されました。
クアンツ視点など大幅に加筆しております。
電子書籍には書き下ろしエピソード「公爵邸。幼い頃の出会い」(クアンツ視点)が収録されております。
アニメイト様では書き下ろしショートストーリーペーパーがついてきまして、こちらは無くなり次第配布終了とのことです。(執事ロバート視点から生温くクアンツを見守っております)
113,518字 (3547.4字/話) 37%