コメディー[文芸]

それどころじゃないとき

「ふー……」

 夜。とある屋敷に侵入した男は大きく、しかし静かに息を吐いた。
 そう、彼は泥棒。地主であろう、田舎の大きな屋敷に独り暮らしの男が大金と共に眠っていると噂を聞きつけ、やってきたのだ。もし、家主に見つかっても縛り上げてしまえばいい。よその家と大きく距離があるので多少の騒ぎは聞こえやしない。
 覆面にツナギを着用。遠くに車を停め、そこからここまで乗ってきた自転車も後々処分する。完璧だ。証拠は残さない……はずだった。

「ど、泥棒か?」

「え……」

ショートショート
短編 2024/05/15 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:28
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