第一王子マークは十二歳。
社交デビューしたはいいものの、まだ幼い彼は、友人にした令嬢たちに「好き」と囁いてばかりいた。
それがどれほど女の嫉妬を駆り立てるものか、知らなかったからだ。
そんな彼は、母に言われて閨教育を受けることになる。
閨教育係はリディア。妖精のように美しい一方で暗い過去を持ち、寂しそうにしている彼女を見て、マークは友達になりたいと思った。
しかしその想いが友愛ではなかったと、リディアによって気づかされて――？

恋を知らない王子が、恋を知るお話。