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洞穴の神様

 とある村に、ぼんやりした男がいた。何かを考え込んでいるわけでも、悩んでいるわけでもない。ただ、生まれつきそういう性分なのだ。畑仕事をさせても、手を止めて空を見上げてばかり。叱られたところで真面目に働くのはせいぜい数分が限界だった。そんな男に親や兄弟もとうに呆れ果て、最近では「山に入って山菜でも採ってこい」と言われている。つまり、目障りだからいないほうがいいというわけ。
 男は一応、山菜を持ち帰るものの、朝から夕方までかけたわりには量が少なすぎた。やはり、山の中でもぼんやりとしていたのだ。家族もそれに気づいたが、今さら何を言っても無駄だとわかっているので、咎めなかった。

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短編 2025/01/26 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:15
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