ホラー[文芸]

悪役令嬢になったのは、ずっと本心を隠すよう教えられたから

七歳で王太子の婚約者に選ばれたクレマンティーヌは、ずっとそう教えられてきた。

外面は国に。
内面は夫に。
感情は、相手が必要とする形で見せなさい。

だから彼女は、怒らず、泣かず、嫉妬も見せず、完璧な公爵令嬢として育った。

けれど王太子テオドールには、それが「心のない女」に見えた。

やがて彼は聖女を愛し、卒業夜会でクレマンティーヌとの婚約を破棄する。

彼女は静かにそれを受け入れた。

「わたくしの外側は、この国のものでした。けれど内側は、七歳のあの日から、すべて殿下のものでございます」

その言葉の意味を、テオドールが知るのは少しあと。

クレマンティーヌが死んだ、その翌日からだった。

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短編 2026/08/24 23:59更新
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最終取得日時:2026/08/27 12:05
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