空想科学[SF]

コンピューター係

「あー、君、君」

「……はい」

 朝、出社して早々に嫌な気分になった。この上司はいつもおれにつまらない仕事ばかりさせるのだ。

「この書類をマルニカさんのところに届けてくれ」

 やっぱりだ。『マルニカ』は隣駅にある会社。もっと遠いところがよかったのに。だが、もちろん断れるはずもない。おれは仕方なく封筒を受け取り、オフィスを出た。
 会社から少し離れると、歩くペースを落とした。こうなったら、なるべく時間をかけてやろう。幸い、天気もいい。おれは悪くない。真面目だし、つまらない仕事を振るほうが悪いのだ。
 そんなふうに考えながら歩いていると、後ろから足音が近づいてきた。

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短編 2025/03/15 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:13
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