空想科学[SF]

過去からこんにちは

 ある夜、森の中。風に揺れる草木のざわめき、枝が折れる音。虫の鳴き声や鳥の羽ばたき。それらとは明らかに異なる、不気味な音が響き、男は手を止めた。耳鳴りのようなその音は徐々に大きくなり、やがて激しい光とともに周囲を包んだ。思わず仰け反り、男は顔を手で覆う。
 やがて光が収まり、森に静寂が戻った。しかし、男のすぐそばには奇妙なものが残されていた。それはまるで石炭ストーブのような形をした、大きな鉄の塊だった。

「なんだ、これ……。急に現れたけど、宇宙船か? いや、でも空から落ちてきた感じはないな……」

 そう呟きながら空を見上げた瞬間、ギイイ……と、扉が開く音がした。

「おっ、これは驚いた。こんな場所で人に会うとはな」

「えっ」

 男は思わず声を上げた。暗がりの中、その鉄の塊から老人が現れたのだ。

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短編 2024/11/24 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:19
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