エロゲの悪徳ヒロインに生まれ変わった俺が、攻略されない為にできる10のこと。
ティファニー・クラインは、かつてエロゲ界で伝説と呼ばれたゲーム、「Herzog」の悪役系ヒロインだ。
金髪縦ロールにややつり上がった青い目は、まさに悪役令嬢。しかしその美しさは、八人の攻略対象であるヒロインの中でも随一だった。
そんなことを思い出したのは、いよいよ私が大悪魔アイロス・バルバトスとの契約を終えようとしていた時のこと。
「え? え? え? 思い出したんですけど、思い出しちゃったんですけど! 私、前世で男だったんですけど! ていうか私がティファニー? まずいって、それまずいって! エロゲの攻略対象だもの! 私、何回触手の中に放り込まれましたっけ!?」
ええ、そりゃもう内心では大悪魔を前にして、めちゃくちゃ焦りましたとも。
しかも攻略されなきゃ悪役なんで、バッドエンドかデッドエンドしかありませんからね……。
「Herzog」とは、そもそも戦略シミュレーションゲーム。
主人公ラファエル・リットは各国の君主であるヒロイン達に軍師として仕え、戦乱のケーニヒス連邦を再び一つに纏め上げることが目的。そして私も君主の一人なのです。
ということは、私が君主にならなければ良いのではないかと考えました。
けれど、それは中々難しい。
何しろ大悪魔との契約上、人々に絶望を齎さなければいけないのです。
その上、来るべき日には悪魔の尖兵として、ケーニヒスを戦火の中へ突き落とすことが私の役目。
どうあっても君主になる必要はありそうです。
ああ、そうだ。
名案を思い付きました。
主人公であるラファエル・リットに出会わなければ良いのです。
そうすればきっと触手の中にブチ込まれることも、お風呂で愛を語られることも避けられるはず……。
ああ、良かった。
これできっと、すべてが上手くいくのです。
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