異世界[恋愛]
私達の結婚に反対でしたでしょう? 私は傾いた商会を立て直すために、救国の英雄と結婚する事になりました。彼は呪いによってケモノになっていました。
私達兄弟姉妹は今まで贅沢な暮らしをしてきた。
洋服を望めば新品の舶来品が手に入り、髪飾りをを強請ればエメラルドがゴロゴロと着いた立派なモノが幾らでも手に入った。
父は海運業で一代で財を成したマルセーユの大商人であるトーマスは、今頭を抱えていた。
「行商を再開してはどうでしょう? 行商であればまだ活路はあるかと……」
「行商など大した稼ぎにはならん! 今必要なのは船だ! それも大きな大きな輸送船がな!」
しかし、自分の意見が現実身を帯びているとは思えない事を自覚しているのか、ワインをグッと煽った。
「行商ですと確かに稼ぎは低いですが、安定して利益を上げることも出来るでしょう……しかし」
「時間がかかりすぎる……それならば婚姻を結ぶしかあるまい」
四人の娘達しかいない訳で……私以外は器量がわるく大商人の娘と言う付加価値しかない訳で……必然的に私《マーサ》に白羽の矢が立つという訳だ。
二人そろってこちらを見た。
どうや自分たちからは言いずらいらしく、仕切りにゲホン、ゴホン咳払いをしている。
はぁ……家のため。いや従業員のためよ。
私は家のための贄になる事にした。千人を超える従業員を雇う大商会が潰れてしまうと、路頭に迷う人があまりにも多すぎるからだ。
私は自分を奮い立たせてこういった。
「私が嫁ぎ船団をそろえるだけのお金を用意して見せます」
父と番頭は手を繋いで子供の様にはしゃいでいた。
私は思わず握り込んだ拳をスッと体で隠して、殴りたい衝動を隠し笑顔を張り付けた。
R15 / 残酷な描写あり / ほのぼの / 女主人公 / 西洋 / ハッピーエンド / 身分差 / 年の差 / 悪役令嬢 / ざまぁあり / 溺愛 / 貴族 / 婚約破棄 / 呪い / ファンタジー / 童話 / 甘々
短編
2022/04/09 12:07更新
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最終取得日時:2026/10/03 01:21
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