伯爵令嬢は普通を所望いたします
王太子の婚約者になった普通顔の伯爵令嬢は、そのスキルが凄かった。
ソアラ・フローレンは伯爵令嬢。
フローレン家は代々普通を好み、普通の生活を営んできた。
嫁ぐ先も、嫁いで来る先も同じ家格の伯爵家で無いといけない。
フローレン家の家訓は『出る杭は打たれる』なのだから。
王宮の経理部に勤めるソアラは20歳になり、そろそろ結婚のお相手を決めて欲しいと父親に言った時から物語が動き出した。
勿論、希望は同じ家格である伯爵令息。
21歳で結婚をしてタウンハウスで暮らすのが彼女の希望なのだから。
ドルーア王国には4つの公爵家がある。
王太子妃にはこの4家から妃を選出する事が代々決められている。
しかし……
大貴族でも無い普通の伯爵令嬢のソアラがドルーア王国の王太子の婚約者候補になった。
それはこの国の王妃の野心だけの理由で。
「 お断りします 」と逃げるソアラが不思議でならないルシオ王太子。
「 僕の妃になるのが嫌なのか? 」と麗しの王太子と言われているルシオ王太子が、普通の顔のソアラ伯爵令嬢に迫るのだった。
ソアラは可愛い幼馴染みのせいで心に壁を作ってしまっている令嬢だった。
何でも仕方無いと自分に言い聞かせるような。
しかし……
普通の伯爵令嬢だと思っていたソアラは、実はとんでもないスキルの持ち主だった。
ソアラを王太子妃に選んだ事がやがて国を救う事になる。
ポンコツルシオ王太子の勘違いのせいでとんでもない出逢いをした2人が、王命と言う枷に囚われながらも次第に惹かれ合って行く。
普通の伯爵令嬢が王太子妃になるシンデレラストーリーです。
緩~く読んで頂けたら有り難いです。
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569,529字 (4068.1字/話) 20%