ホラー[文芸]

悪役令嬢が消えた部屋から、毎晩「愛している」が聞こえる

 断罪された翌朝、悪役令嬢イレーヌは、内側から鍵の掛かった離宮の一室から姿を消した。

 残されていたのは、乱れた寝台と、手つかずの食事。そして、枕の上に置かれた婚約指輪だけ。

 その夜から、誰もいない部屋で、王太子レギウスの声が聞こえるようになる。

「君だけを愛している」
「生涯、君を守ろう」
「何があっても、君を捨てない」

 それは、かつて彼がイレーヌへ贈った愛の言葉だった。

 昔の言葉には、もう意味などない。

 そう切り捨てるレギウスのもとへ、声は毎晩、少しずつ近づいてくる。

 これは、忘れたことにされた愛の言葉が、受け取った相手を探して戻ってくるお話。

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短編 2026/07/29 08:30更新
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最終取得日時:2026/08/22 12:07
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