ヒューマンドラマ[文芸]

復讐させて頂くためにも、婚約破棄には応じません。

「フローレンスさん……でしたか。貴方は、私の婚約者であるポール様へ、真の愛を感じているのですか?」

「は、はい。リスノワール様には、大変申し訳なく思いますが……彼を一生支えていきたいという気持ちに、今も変わりはありません。」

「……そうですか」

 大したものだ。普通ならば好いた男に婚約者がいたと分かれば幻滅し、頬を引っ叩きそうなものだが。これも恋心がもたらす強さなのだろうか?あるいは私とは違う色の血が流れているのか。

「わかりました」

「分かってくれたか」

 私の一言で何か誤解したのか、向かいの二人はホッとした様子だった。だがその緩んだ顔は、次の一言によってすぐに冷え固まった。



「しかし婚約破棄には同意しません」

R15 / 残酷な描写あり
短編 2025/09/08 04:54更新
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最終取得日時:2025/09/15 12:05
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