コメディー[文芸]

喋る本

「ただいまー!」

 明るい声が家の中に響く。軽快な足音を立て、階段を上った彼女は、自分の部屋に入り、ドアを閉めた。そして、ベッドに腰かけ、鞄の中から一冊の本を取り出した。顔に近づけ、すーっと匂いを嗅ぐ。それから、彼女は大きく息を吐いた。
 
「新品の匂い……最高」

「だよね」

「えっ!」

 と、彼女は危うく本を手から落としそうになり、わたわたと持ち直した。そして、少しの静寂。一応の落ち着きを取り戻した彼女は問いかける。

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短編 2024/06/12 16:16更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:27
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