異世界[恋愛]

来ない晴天を信じて、遠征は出発した

侯爵令嬢フィリア・クロスウェルは九年間、夜空を観測し続けた。雲の動き、星の光量、風の向き——それを細かな記号と数字に変えた観測帳が、二回の王家遠征を成功に導いた。だが婚約破棄の夜、エドガー王太子は「星を読むなど占い師の余興」と言い捨て、侍従長が九年分の観測帳を暖炉に投げ込んだ。フィリアは静かに告げた。「九年嵐が来るまでは、そのご判断も正しいかと存じます」

北の辺境の砦に身を置いたフィリアは、守備隊長テオバルト・グレインと出会う。山で十年、体に刻んだ天気の勘を持つ武人。二人の「体感と数字」が重なるとき、観測の精度は格段に上がった。九年分の記憶から、フィリアは新たな観測帳を書き始める。一方、王都では第三次遠征が出発した。来るはずのない晴天を信じて。

異世界転生 / 女主人公 / ハッピーエンド / 溺愛 / じれじれ / ざまぁ / 婚約破棄 / 追放 / 令嬢 / 天文観測 / 気象予測 / 守備隊長 / 因果応報 / もう遅い / 短編
短編 2026/08/28 06:00更新
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最終取得日時:2026/09/22 12:07
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