ヒューマンドラマ[文芸]
その差配、婚姻を口実に手放すつもりはございません
病弱な父に代わり、五年間アーレンス伯爵領の経営を切り盛りしてきたレオノーラ。荒れていた領地を立て直し、近隣でも指折りの収益を上げるまでになった。
「これ以上、お前一人に無理はさせられない」
「ちょうどいい許婚が見つかったの」
「僕が支えるよ、レオノーラ」
親族会議の場で、父・叔母・従兄コンラートが順番にそう告げる。負担を気遣うふりをしたその実態は、婚姻という手続きを使い、彼女が立て直した領地の実権を、野心のある従兄に丸ごと明け渡させることだった。
「婚姻をもって、差配をコンラート様に引き継がせる。そういうことでございますね」
レオノーラは動じない。なぜなら一年前から、ある布石を静かに打っていたから。
「一年前より、当領地の経営権は、信託契約として移してございます」
顔色を失っていく親族たち。だが、これは大団円の物語ではない――。
西洋 / 中世 / 無自覚 / 家族 / 逆転 / 短編 / 一話完結 / 伯爵令嬢 / 搾取 / 経営 / 異世界 / 令嬢
短編
2026/08/15 19:50更新
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最終取得日時:2026/08/19 12:05
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