異世界[恋愛]

最後のダンスは雨上がりの中で

華やかなダンスホールを彩るような、優雅で、しかしリズミカルな演奏が響き渡る。一曲目はスローワルツ。社交ダンスの中では比較的ゆったりとしたテンポで、体を慣らす意味でも私は好きだった。

 一方でパートナーの婚約者様は、その顔面を蒼白とさせているが。

 私は手汗で冷え切ったパートナーの手を握り直し、周囲に聞こえないようにそっと、しかしパートナーには確実に聞こえる距離で呟いた。

「ウィリアム様のお望み通りにして差し上げます」

「な……なんの、ことだ?」

 今度は体を寄せ、吐息が耳に触れる近さで。



「婚約を、破棄なさりたいのでしょう?」



 決着を付けるわ、この未練に。

身分差 / 悲恋 / ヒストリカル / 青春 / ラブコメ / ハッピーエンド
短編 2022/11/03 20:08更新
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最終取得日時:2026/07/02 01:27
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