「殿下は、自分が思うほど優秀なアイディアマンではありません」
王太子アレクシスは自らを「優秀なアイディアマン」だと信じて疑わなかった。
──婚約者のエリザベートに、そう言い放たれるまでは。

納得できないアレクシスだったが、婚約者の言葉通り会議を欠席し、こっそり盗み聞きすることに。
そこで彼が耳にしたのは、自分抜きで白熱するレベルの高い議論と……
「やっぱり殿下がいないと話しやすいな」
「『素晴らしい』って褒めないと不機嫌になるからなぁ」
──自分に向けられた、容赦ない「本音」だった。
イエスマンに囲まれた「裸の王様」
それが自分だと知ってしまった王太子は、絶望の淵に立たされる。
──これは、勘違い王太子が、真の王道を歩むための「やり直し」の物語である。