【完結】猫殿下とおっとり令嬢 ~君を愛することはないなんて嘘であった~ 冤罪に陥れられた侯爵令嬢が猫ちゃんを拾ったら幸せな王太子妃になりました!?
ロミルダ・モンターニャ侯爵令嬢はミケーレ第一王子の婚約者。
しかし王子から、「お前を愛することはない」と告げられる。
理由は、王子は飼い猫を溺愛しているから。
だが、おっとりとした性格のロミルダは、「猫ちゃんを大切にするミケーレ様は優しい人なんだわ」とポジティブに捉える。
ロミルダには継母と腹違いの妹ドラベッラがいた。
継母は王国を乗っ取ろうと画策している悪い魔女なのだが、真実を知っているのは魔女の娘ドラベッラのみ。
継母とドラベッラはロミルダを、第一王子の婚約者という座から追い落そうと計画している。
そのためにロミルダを冤罪に陥れようとする。二人はロミルダの手作り菓子に魔法薬を仕込んだ。
何も知らないロミルダは、魔法薬入りの菓子をミケーレ王子に手渡してしまう。
この魔法薬は、食べた者の一番大切なモノに姿を変えてしまう効果があった。
ミケーレ王子は菓子を食べ、飼い猫の姿になってしまった。
ロミルダと会ったあとで王子が姿を消したために、ロミルダは王子をどこへ隠したのかと糾弾される。
宮廷魔術師たちが調べたところ、ロミルダが手渡した菓子の残りから魔法薬の成分が発見された。
ロミルダは、王子の姿を消してしまう恐ろしい魔法を使った魔女として、責められてしまう。
一方、猫の姿になった王子は、どこにでもすべり込めるようになっていた。
継母とドラベッラが計画を話しているのを聞き、二人の悪事に気が付く。
しかし猫なので、ほかの人間に伝える手段がない。
猫になった王子はロミルダに拾われ、可愛がられる。
ロミルダの優しさに触れて、それまで人間不信だった王子の心は溶かされてゆく。
幼いころから宮廷内の政治闘争を見て育った彼は、人間は誰でも裏表があると信じていたのだ。
そのせいで、飼い猫だけを溺愛する孤独な青年に成長してしまった。
だが見た目通りおっとりと可愛らしく猫を可愛がるロミルダに癒された王子は、ロミルダを溺愛するようになる。
果たして猫にされた王子の想いはロミルダに伝わるのか?
そして冤罪をかけられたロミルダの運命は?
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