ヒューマンドラマ[文芸]

鬼嫁

「いやあ、もう無理ですわ。うちの女房、ほんま鬼ですわ」

 夜の飲み屋。テーブルには空になったジョッキや、つまみの皿が雑然と並んでいる。男は酒をあおってはため息をつき、向かいに座る友人ふたりに、愚痴をぶちまけていた。
 彼の女房はとにかく口うるさく、毎日怒鳴り散らしてくる。家事一つするにも、いちいち細かく指図し、何にでも文句をつけてくるのだ。掃除が甘いだの、料理がまずいだの、挙句の果てには、息の仕方にまでケチをつける始末。

「それでな、この間とうとう離婚届を突きつけたんですわ」

「おお! 思い切ったなあ」
「ほんで、どうなったんや?」

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短編 2025/04/19 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:11
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