空想科学[SF]
クローン通知書
「クローン通知書……か」
部屋で郵便物をチェックしていた彼は、一通の封筒を手に取り、そう呟いた。
少子高齢化と未婚率の増加が問題視されてから何年経っても解決の兆しは見えず、政治家たちはこの問題に触れることすら避けるようになっていた。
だが、人々がそれを咎めることはなかった。解決など、無理な話なのだ。子供を育てるには金がかかる。この不景気ではそんな余裕も熱意も持てない。結婚し、親に孫の顔を見せるといっても、せいぜい一人か二人、それ以上は夢物語だ。
娯楽にあふれ、結婚しなくてもそれなりに楽しく生きていけるこの時代。人口が増加している途上国のように女性の権利を無視するわけにもいかない。このまま国と共に老化し、緩やかな死を迎えるだけ。そう諦めていた。
だが、ある革新的な技術が誕生し、制度として導入されたことで流れが変わった。
それはクローン人間の作成であった。
未設定
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2024/12/03 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:18
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