ヒューマンドラマ[文芸]

ハード・ガール

 ――吉野ゆきなのことを、今でも時々思い出す。

 中学校時代、あたしと吉野は出会った。それは特に運命的というのでも、ドラマチックというわけでもない。その辺に転がってる石ころと同じくらいに、ありふれたものでしか。
 けれど、それでも――

 彼女は美少女で、でも性格はまるっきりそんなふうじゃなかった。引っ込み思案で、後ろ向きで、自分を持てあましているようなところが。
 あたしはそんな彼女に複雑な感情を抱いていた。不思議な仲間意識や、共感、同情。それと同時に、もどかしさや、不満、劣等感――
 彼女は誰よりもきれいで、何よりも弱かった。

 あなたはもし一番の友達から、〝いっしょに死んで欲しい〟と言われたら、どうするだろうか。説得する? 慰める? 罵倒する? それとも――いっしょに死んでしまう?

 あたしは今でも、あの時本当はどう答えるべきだったかわかっていない。

(18/3/27~18/4/15)

現代 / 日常 / 青春 / ホームドラマ / 短編 / 中学校 / 美少女 / 虐待 / 少年審判 / 十年 / きれいで、弱い / 一番きれいだったとき / 灰色の世界
全10話完結 2022/12/31 00:00更新
46,176字 (4617.6字/話) 24%
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最終取得日時:2026/04/01 12:46
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