空想科学[SF]

アップデート

「ピーちゃん、ただいまあ!」

 三十歳を過ぎた男が猫なで声で何を言っているんだろうと、一瞬ふと思った。だが、部屋の奥から駆け寄ってくる愛くるしい姿を見た途端、そんな疑問は消えた。ああ、なんて可愛いんだ。

『クゥン』

「おぉ、おぉ、可愛いねえ……」

 おれはピーちゃんを抱きかかえ、頬ずりをした。
 ピーちゃんと名付けたが、この子は小鳥などではない。愛玩用犬型ロボット、ピーマックスだ。発売前から話題になり、気になってはいたが、買うつもりはなかった。それが、大手家電量販店で【入荷しました!】の文字を見てしまい、残り一つと聞いた瞬間に運命を感じてしまったのだ。

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短編 2024/11/22 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:19
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