異世界[恋愛]

断罪の場で、私は泣かなかった

乙女ゲームの悪役令嬢に転生して六年。リディアはずっと知っていた。いつか断罪される日が来ると。
だから準備していた。書類を揃えた。覚悟を決めた。そして断罪の場に立ったとき、彼女は泣かなかった。

「何か言うことはないか」と王太子に問われ、リディアは静かに答えた。「ございません。粛々と受け入れます」

その瞬間、誰も予想しなかった人物が扉を開けた。
第二王子アシュルが取り出したのは、罪状の根拠となった証言と証拠——その全てが偽造であることを示す書類だった。六年かけて仕組まれた陰謀が、たった五分で崩れていく。

泣き崩れるヒロイン。青ざめる王太子。そしてリディアは、それを静かに見届けた。

「婚約は、このまま解消していただいて構いません」

怒りでも、悲しみでもなく。ただ、六年間一度も信じてもらえなかったという、それだけの理由で。

異世界転生 / 異世界恋愛 / 転生 / 断罪 / ざまぁ / スカッと / 陰謀 / 切ない / 逆転 / 覚悟 / 乙女ゲーム
短編 2026/04/25 10:19更新
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最終取得日時:2026/09/01 12:12
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