婚約破棄されたので、秘めていた「真実を見抜く瞳」で相手の汚職と本心を暴露したら、なぜか敵国の公爵に溺愛されました
クロヴィス公爵令嬢エリザベスは、生まれつき「真実を見抜く瞳」を持っていた。その能力は、相手の嘘や隠された本心、さらには過去の不正の記録まで、鮮明な文字として視認できるという、類稀なるチート能力であった。しかし、王太子妃としての「義務」を果たすため、彼女はその能力を封じ、地味で目立たない模範的な令嬢を演じ続けてきた。
しかし、その平穏は、ある夜の宮殿の舞踏会で唐突に破られる。婚約者であるフィリップ・アルテア王太子殿下は、新興の子爵令嬢レティシアの愛らしさと、彼女の背後にいる大商会の莫大な資金を目当てに、公衆の面前でエリザベスに婚約破棄を突きつける。周囲の貴族たちは、エリザベスを嘲笑し、「悪役令嬢」だと陰口を叩く。
長年の重圧と屈辱に耐えかねたエリザベスは、ついに隠していた「真実を見抜く瞳」を解放する。彼女は、王太子の背後に浮かぶおぞましい「不正の記録」を正確にトレースし、軍事予算の横領や殺人教唆、そしてレティシア嬢の父である子爵家の違法薬物取引への関与といった、王室最大の汚職の真実を、その場で暴露する。
場が騒然となる中、一人の人物が現れる。それは、この王国と長年にわたり緊張関係にある強国、ヴォルガー大公国の宰相公爵、ユーリ・ド・ヴォルガーであった。彼は、エリザベスの恐るべき能力と、権力に立ち向かったその勇気を見抜き、公然と「我が国の公爵夫人として迎え入れたい」と求婚する。
フィリップ王太子の不正が暴かれ、失脚の危機に瀕する中、エリザベスは、腐敗した王国に見切りをつけ、ユーリ公爵の求婚を受け入れる。彼女のチート能力は、ヴォルガー大公国で「不正を取り締まる、真実の剣」として最大限に評価され、エリザベスは公爵の共同統治者として、新たな人生を歩み始める。そして、彼女の力を見抜いたユーリ公爵は、誰よりも深く、彼女を溺愛するのだった。悪役令嬢として追放されたはずの人生は、清廉な隣国の公爵夫人という、最高の逆転劇を遂げる。
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