小学四年生に戻った俺の、あの頃からのやり直し
【100万文字超ストック執筆済み/毎日午前11時更新】
一等四億円を当てた。でも、まだ小学四年生だった。
昨日まで三十六歳だった俺が目を覚ますと、平成十二年の春、小学四年生に戻っていた。
スマホはなく、放課後の約束は口約束。台所には母さんの朝ごはんがあり、ランドセルは思っていたより重かった。
一周目の人生は、別に大きく失敗したわけじゃない。
ただ、友達の誘いを断り、連絡を後回しにしているうちに、誰かと一緒に帰る日も、家族みんなで食卓を囲む日も、いつの間にか終わっていた。
まずは、友達の誘いに「行く」と答えてみる。
その年の秋、始まったばかりのロト6を駅前の宝くじ売り場で見つける。
一周目で、父さんはロト6の三等を当てた。「あと一つで一等だった」と、その回の当選番号を何度も読み上げていた。
俺はその六つを覚えていた。
小遣いの二百円で同じ数字を選び、一等四億円を当ててしまう。
けれど、大金を手にしても、俺はまだ小学四年生だ。
通帳は父さんと母さんが預かり、学校では誰にも言えない。次の日もランドセルを背負って学校へ行き、帰れば宿題が待っている。
その金をどう使うかは、父さんと母さんと一緒に考える。欲しかったものを買い、これから伸びる会社の株にも少しずつ手を伸ばしていく。
未来のことを少し知っていても、友達との距離や部活の勝敗、好きな相手の気持ちまでは分からない。
小学生から中学生、高校生、そしてその先へ。
一周目では通り過ぎた青春と人生を、今度は自分で選びながら生き直していく物語。
※小学生編完結。現在は中学生編を毎日更新中です。
※当面は毎日更新を予定しています。
少しずつ変わっていく恒一たちの日常を、楽しんでいただければ幸いです。
※本作は「カクヨム」にも掲載しています。
198,803字 (2338.9字/話) 56%