コメディー[文芸]

察する力

 とある夜、アパートの部屋に二人の男女が帰ってきた。彼らは同棲しているカップルだ。
 部屋着に着替えてテレビの前でくつろいでいると、女が男に一枚の紙の切れ端を渡した。彼女が今書いたものらしい。

【タクシーが十字路を曲がったとき、乗客の男がこう言った。『人間よ!』】

「……ん?」

「ん、は言わないで」

「あ、ごめん。えっと、これは何?」

「しっ、考えて」

「考えてって……? タクシーが人を轢きそうになったから、乗客が警告したってことじゃないの?」

「はあ……」

「え、違うの? あっ、もしかしてこれって暗号?」

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短編 2024/10/31 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:20
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