その他[その他]
霧島くんの捏造神話
保育園に通っていた私が“なぜなぜ期”に入ったのとちょうと同じ頃、マンションの隣の部屋に住んでいる霧島真也くんはいろいろなお話を作るようになった。
――どうしてかぜがふくの?
「それはね、かみさまがオナラをしたんだ」
普段は物静かな真也くんも、そういう話をする時だけは饒舌になる。私は真也くんの作ったお話を聞くのが大好きだったから、一緒に小学校に入学しても彼にずっと質問ばかりしていた。
――どうして空は青かったり、赤かったりするの、黒かったりするの?
「それはね。空に絵を描きたい神様が三人もいるからだ。朝の神様は早起きして、空を青く塗って白い雲を描いている。夕方の神様はのんびり起きてきて、頑張って赤い絵の具を塗る。でも、すぐに夜の神様が邪魔しに来て、空を真っ黒にして星を描いちゃうんだよ」
私はずっとずっと質問ばかりして、真也くんはずっとずっと捏造ばかりしているものだから……いつしか、彼の作るお話は壮大な神話のようになっていた。
ネトコン12 / ほのぼの / 女主人公 / 現代 / 日常 / ハッピーエンド / 青春 / 神話
全3話完結
2023/12/30 17:01更新
10,116字 (3372字/話) 15%
10,116字 (3372字/話) 15%
日間P
-
総合P
96
ブクマ
4
平均評価
8.8
感想数
0
レビュー
0
評価頻度
250%
評価P
88
評価者数
10
週間読者
-
日間イン
0回
ベスト
圏外
最終取得日時:2025/05/09 12:31
※googleにインデックスされているページのみが対象です