ヒューマンドラマ[文芸]

その条項、殿下がお忘れのようですので確認いたします

「マリエル、婚約を解消する」

夜会の中央で、第二王子ヴィルヘルムから一方的に婚約解消を告げられた侯爵令嬢マリエル・ダーウェント。おまけに「持参金の返還は不要、贈答品も王家の所有物とする」という、彼女に一方的に不利な条件まで突きつけられる。

「恐れながら、王室婚約規定の第七条をご確認いただけますでしょうか」

マリエルは動じず、静かに条文を諳んじた。

社交界で「大人しく地味な令嬢」と言われ続けてきた彼女には、誰にも言わずに続けてきたことがあった。婚約が決まった日から、王室婚約規定と王室法典を、隅々まで読み込んでいたのだ。

「そんな条項、聞いたことがない」
「控えは、王室文書館と実家の両方に保管されているはずです」

一つ、また一つと、ヴィルヘルムの見落としが規定の条文と共に明らかになっていく。顔色を失っていく王子。

その条項、殿下がお忘れのようですので確認いたします。

西洋 / 中世 / 婚約破棄 / ざまぁ / 令嬢 / 契約 / 規定 / 王子 / 逆転 / 短編 / 一話完結 / ハッピーエンド
短編 2026/08/13 15:00更新
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最終取得日時:2026/08/16 12:05
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