「この世界の理は、全て嘘（バグ）だ」
物理法則がバグった世界で、人類は現実を書き換える能力『追記（アペンド）』を手にしていた。

こうなった原因である【大崩壊】の元凶・九条博士の息子である漣（レン）は世間に忌み嫌われながらも、裏社会で特殊な情報を売買する解析屋として生き延びていた。

しかし、父の形見『エイジャス』の起動がすべてを変える。
映し出されたのは「真実は七つの棄界（ヴォイド）に隠した」という父の遺言だった。

不遇の能力「遅延実行（ラグ・コマンド）」を武器に、漣は禁止区域『棄界』へと足を踏み入れる。それは、世界のバグを暴き、父の汚名を拭うための孤独なデバッグ（反逆）の始まりだった。

「待っててよ、父さん。必ずその汚名を拭ってやるから」