異世界[恋愛]
偽物の番を信じたのは、あなたです
「真実の番は彼女だった」
王都最大の夜会で、十年越しの婚約を一言で破棄された公爵令嬢レティシア。
泣き崩れるはずの悪役令嬢は、ただ微笑んで礼をした。
――だって、もうとっくに、終わっていたから。
隣にいすぎて、空気になっていた。
誕生日も忘れられ、意見も後回しにされ、
新しい輝きに夢中な男を十年間、静かに見ていた。
翼紋は、一度も光らなかった。
離れに隔離された夜。
窓辺に、一羽の黒い鷹が止まっていた。
「……あなたも、番を探しているの?」
冗談のつもりだった。
でも胸の翼紋が、生まれて初めて灼けるように熱を持ち。
光が収まると、窓辺に立っていたのは――
長い黒髪。軍服。金色の瞳。
帝国の第一皇子、ルシアン・ヴァルドレイン。
「ようやく見つけた」
膝をついた彼の翼紋が、私のものと鎖のように絡み合った。
完全共鳴。本物の番。
「三年前から、君の番だと知っていた。
君に婚約者がいたから、待っていた。
でも彼が君を捨てた瞬間、誓った」
金の瞳に、静かな炎が燃えた。
「この国ごと、奪ってもいいと」
私は選ばれなかったのではない。
ただ、本物にまだ出会っていなかっただけだ。
翼紋が空に光を放つ日まで、
これは、捨てられた令嬢と、三年間待ち続けた皇子の番の物語。
アイリスIF8大賞 / ハッピーエンド / 悪役令嬢 / 婚約破棄 / 執着 / 番 / 溺愛
短編
2026/03/03 21:54更新
9,096字 47%
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最終取得日時:2026/03/11 12:05
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