ホラー[文芸]

事故後

「なん、な、な、に、なに、な」

 目覚めた彼は脳内で渦巻く思考の奔流に溺れた。思考と呼ぶには欠ける汚泥の川であり、抑えようとしても、水しぶきを上げるように言葉が断続的に漏れ出る。
 彼が意識を取り戻したことに気づいた看護師が医者を呼んだ。その医者が彼に言った。

「やぁ、意識が戻ったようですね。よかった」

「よか、よか? なに、あ、あ、なに」

 口がうまく回らないことに彼は恐怖を覚えた。だが、周りの様子から見てここは病院で、麻酔が効いているせいだろうと考えた。

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短編 2024/05/20 15:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:28
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