ヒューマンドラマ[文芸]

夢で殺したら……

「俺、人を殺しちゃったんだ……」

 高野は缶ビールを力なく床に置いた。うなだれたまま、缶の飲み口をじっと見つめている。
 ちらっとおれを見た。何か言うのを待っているらしい。おれは仕方なく、口を開いた。

「……ふーん、そうなんだ」

「いや、軽いな」

「だって夢の話なんだろ? さっきそう前置きしてたじゃないか」

「そうなんだけどさ……」

 電話で沈んだ声で宅飲みに誘われたときは覚悟を決めたが、聞いてみればただの夢の話で拍子抜けした。ただ、その夢がやけにリアルで続き物らしく、高野は本気で悩んでいるようだった。

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短編 2025/02/20 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:14
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