宇宙[SF]
ある星の祭り
その惑星の地表の一部は、脈動するかのように絶えず揺れ動いていた。
「船長、あれはまるで……」
「ああ、まるでというより、完全にお祭りだな。ちょうどいい時に来たかもしれない。着陸しよう」
上空から見下ろしていたその小型の宇宙船は、集団から少し離れた場所へゆっくりと着陸した。
地上からも宇宙船が見えていただろうと思い、船長と乗組員は船から降りて、その場で少し待った。しかし、誰もやって来なかった。
「どうやら、お祭りに夢中で私たちに気づいてないみたいですね」
「ははは、連中の真上から降りてやればよかったかな」
「ふふ、驚かせちゃいますよ。攻撃してきたかもしれません」
「いや、『神様がきた!』って崇められたかもしれない。惜しいことをしたな」
「まあ、確かに。そうなれば、交渉も楽だったでしょうね」
彼らの目的は、この星と友好関係を築くことだ。ただし、この場合の『友好』とは、地球側が優位に立つ関係のことを意味する。現在、地球は知的生命体が存在する惑星に彼らのような使者を送り、その資源や技術を獲得しようとしているのだ。
未設定
短編
2024/10/29 11:00更新
2,497字 80%
2,497字 80%
日間P
-
総合P
10
ブクマ
0
平均評価
10
感想数
0
レビュー
0
評価頻度
-
評価P
10
評価者数
1
週間読者
-
日間イン
0回
ベスト
圏外
最終取得日時:2025/07/09 12:20
※googleにインデックスされているページのみが対象です