ハイファンタジー[ファンタジー]

戦闘狂の聖職者

遥かなる昔・・・劣等種族であった人間は滅びの運命にあった。

度重なる戦禍は精神を蝕み、幾度となく降り注ぐ竜人からの竜法によって家屋や畑は無惨にも荒れ果てしまっていた。

それでも幾人かの人間達は諦める事は出来ずに絶望に抗っていた。
しかし力の差は歴然・・・全人口のおおよそ三割が使える魔法を行使しても竜人が扱う竜法には遠く及ばず、徐々にその個体数を減らしていった。

大いなる力を前にその場を凌ぐ為の、その日だけを生きていく事さえも出来なくなってしまった人々は祈り始めた・・・

自らが救われることを、愛しい我が子が安心して眠れるように、神の救いが現れた人々を救い導いてくれると信じて・・・


そして奇跡は突如として舞い降りる。


穢れも、混沌も、そして死すらも超越した、この世成らざる者が人々を導く為に舞い降り力を行使する。

純情たる祈りの果てに舞い降りた者の名は・・・女神セラフティアス。

何者にも染めることが出来ない純白な六枚の翼を羽ばたかせ世界を巡り、人々の救済を行ったといわれる女神がこの世から突如としていなくなってから、早千年が経過し人々は平和に暮らしていた。

女神セラフティアスへの信仰心は薄れてしまい。最早女神セラフティアスの人類救済がお伽噺として語られてゆくなかで、人類は新たなる問題に直面していた。

疫病の狂天使・・・それは突如として発生した、不可解な人体に起こる突然変異だ。
発生条件も、発生場所もバラバラな疫病は、発病してしまうと自我を失ったように周りの者を傷つけ、人体細胞が変化し、ある者は両腕が不釣り合いなほど巨大化したり、またある者は腕が刃物状に変化したりなど人間の身体を超越した存在へとなってしまう。
そしてどの疫病の狂天使にも共通するのが、背中から生えている赤黒い枯れ枝のような翼と充血した目・・・そして血液のような赤い天使の輪だ。

いつ誰が発病するのかもわからない疫病・・・しかし人類は悲観してはいなかった。
爆発的に蔓延するならいざ知らず、このところ百年の間疫病は流行していなかったからだ。


人類の未来は明るい・・・そう信じて止まない人々をみて主人公、マリアティアス・V・ヘリエテレスはゆっくりと聖書を閉じる。

これから来るべき楽園を夢見て。

R15 / 残酷な描写あり / 異世界転移 / 身分差 / 冒険 / ディストピア / パンデミック / ダーク / 女主人公 / 近代 / 人外 / 魔法 / 女神 / 天使 / 女騎士
全109話完結 2020/03/15 20:31更新
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最終取得日時:2026/10/20 02:18
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