双極の旅人~行方不明の魔王と死せる勇者の顛末~
 召喚術師──その存在は特別視され、奇異なる立場として主に王族、貴族、要人を護る為だけに存在していた。
 その種族は山間で集落を作り、世間とは隔離された閉鎖的な生活を営み、それを知る者と知らない者が、同じ大地の上で生きていた。
 皆、家族を持ち、愛すべき者を持ち、友を持って。
 築かれる物には長い年月が必要だ。
 だが壊れるのは、瞬きするよりも刹那的で儚い――。
 それが、自分の身の上に起こるなどと考える者は少ない。
 目の前にした時、人は初めて気付かされるのだ。
 ある日、何の前触れもなく召喚術師の集落は、魔族に襲撃された。
 その光景の恐ろしい事実を突きつけられて果たして、正常でいられる者はどれくらいいるだろうか。
 その一族の末裔は、居場所を失い長い時間を旅して生きてきた。
 過去の現実から、目を背けるが如く。
 故郷を魔族に襲撃され、壊滅した挙句に不老の呪いをかけられてしまい、子供のまま成長出来なくなったフェリオ。
 悲惨で恐怖な出来事を目前にして、トラウマを抱えてしまったフィリップ。
 当てどもなく旅を続けていた二人は、道中にてそれぞれ一人の少女と、一人の紳士に出会った事で、ようやく旅"意味"を見出していく。
 その後も新たな仲間を得るうちに、いつしか"勇者一行"と呼べれる様になって。
 世の中には、相反するものが必ずある。
 光と闇、火と氷、天と地、善と悪、生と死etc……。
 おそらくそれは、どこの世界にも存在する。
 これは、そんな"どこか近い"、しかしながら"限りなく遠い世界"の物語。
この度、番外編『双璧の恋人~いつも傍にいて溺愛しあう者の顛末~』の執筆を開始しました!
その後の勇者一行の物語ですが、基本ラブエッチ中心に展開しております。
よってR18サイトムーンライトノベルズに掲載しております。
性的な作品が苦手な方は仕方ありませんが、問題ないよという寛大なお方は、是非お時間が許す限り立ち寄って、楽しんで頂ければ幸いにございます!!
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