空想科学[SF]

ロボットのペット

 いつか、こんな日が来るとおれにはわかっていた。……などと言ったら、「じゃあ、わかっていながら今まで何してたんだ?」と、ぐっと喉元に言葉のナイフを突きつけられるだろうから、口には出さない。中には路上で青筋立てて唾を飛ばし、叫んでいる者もいるが、恥も恥だ。周囲の冷ややかな視線に気づかないその神経の図太さには感心するが。

「えーっと、あなたの経歴ですと、うーん……」

 どこに何度行っても、どの職員にあたっても、みんな同じような反応だ。書き込んだ用紙とおれに交互に視線をやり、苦笑いする。何が職業安定所だ。名ばかりの給料泥棒め。おれを安定させてみろ、この野郎。

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短編 2024/08/11 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:24
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