ヒューマンドラマ[文芸]

私の婚約者は、子持ちの年上女に入れあげた挙句、婚約破棄を宣言。「彼女の前の夫は病死。その前の夫は事故死。小さな子供を抱えて、彼女は苦労しているんだ。ほっとけないよ」と。でもソレ、危なくないですか!?

 私、フランシス・デュビー伯爵令嬢は、婚約者ジョルジュ・グラベール侯爵によって、個室レストランに呼び出された。
 そして、突然、私との婚約を破棄して、別の女性と結婚すると宣言された。
 彼のお相手は、私たちよりも年上の未亡人ナタリー・ゼニエル元子爵夫人だというから驚きだ。
 彼は言う。
「ナタリーさんは、不幸で可哀想な女性なんだ。前の夫は病死。その前の夫は事故死。小さな子供を抱えて、彼女は苦労しているんだ。ほっとけないよ」と。
 私は考え直すよう、訴えた。
「よく考えて。だって、そんなふうに、夫が二人も連続してお亡くなりになるなんて。絶対、普通じゃない。なんだか、裏がありそう……」と。
 だが、無駄だった。
 彼はすっかりのぼせ上がっていて、
「僕はナタリーを幸せにする使命があるんだ。君との結婚はなかったことにする。婚約破棄だ!」と言う。
 だから、私は身を退くことにした。
 以来、私は実家の別荘に篭っていた。
 すると、二ヶ月後ーー。
 私が引き篭もる別荘に、一人の女性が、私との面会を求めて馬車で乗り付けてきた。
 彼女は幼い子供を引き連れており、自らを「ナタリー・グラベール侯爵夫人」と名乗っていた。
「あら。想定より、ずいぶん早いわね」
 私は、婚約者を奪った年上女を、悠然と迎え撃つことにした。

 案の定、バカな元婚約者ジョルジュはーー。

※ざまぁ系のストーリーです。

女主人公 / ざまぁ / 年上の未亡人 / 前の夫は病死 / その前の夫は事故死 / 小さな子供 / 婚約は「擬似結婚」 / 既婚者は離婚できない / 貴族社会のルール / 婚姻届 / 溺死 / 血中の水分濃度
短編 2025/09/03 12:10更新
12,558字 14%
日間P
690
総合P
1,238
ブクマ
34
平均評価
8.13
感想数
0
レビュー
0
評価頻度
423.53%
評価P
1,170
評価者数
144
週間読者
-
日間イン
3回
ベスト
52位
最終取得日時:2025/09/06 12:05
※googleにインデックスされているページのみが対象です