魔法を愛し、魔法のために生きてきたメルク。
だが彼は致命的なまでに、魔法の才能に恵まれなかった。

それでも一人、人里も離れただひたすらに魔法を探究し続けた結果、彼はとんでもない魔法理論を組み立てていた。

それは、使いこなせる術者さえいればその偉業だけで、賢者の称号を与えられるほどの成果だった。

魔力に恵まれなかった天才と、師に出会えなかった孤高の才能。
今まさに、二つの可能性が混ざり合おうとしていた。


※基本短期連載予定です。